J.R.R.トールキン著『指輪物語』のご紹介です。
現代のファンタジー小説の原点にして頂点となる小説です。
今は、ライトノベルを中心に「異世界転生」ものが、流行っていますが、
これらも、原点を紐解いていけば『指輪物語』に行きつきます。
この大傑作ファンタジーを今回はご紹介したいと思います。
第一巻の罠
ファンタジーを好きな方は、一度は『指輪物語』の名を聞いたことがあると思います。
とはいえ、これを最後まで読んだ方が、どれくらいいるかは、ちょっと疑問です。
それは「第一巻の罠」があるからです。
第一部『旅の仲間』(全4冊)の一巻目はかなりのスローペースで進みます。
文庫本一冊の終わりで、やっと主人公フロドたちが旅に出るのです。
この一巻目で挫折した方は、かなり多いのではないかと思います。
でも大丈夫! ここを乗り切れば、巻を重ねるごとにどんどん面白くなります!
ここは私を信用して、頑張って乗り越えてもらいたいです。
『ひとつの指輪』の怖さ
物語は、運命のいたずらで主人公フロドが手に入れてしまった中つ国(物語の舞台)最強の指輪
『ひとつの指輪』を敵の総本山に行って、破壊する旅を描きます。
『ひとつの指輪』はかつて冥王サウロンが中つ国を支配するために作った魔性の指輪で、
絶大な力を秘めています。
『指輪物語』の面白さはこの『ひとつの指輪』の恐ろしさに由来すると思います。
この指輪は、力ある者を誘惑します。
力ない者も虜にしてしまいます。
本作を映画にした『ロード・オブ・ザ・リング』三部作は素晴らしい作品ですが、
残念ながら、この「指輪の怖さ」は十分に描き切れていません。
トールキンの文章の巧みさと、文章そのものの底力を、
私は本作に感じました。
まとめ
昨今は『ハリーポッター』や『ゲーム・オブ・スローンズ』の人気で、
再びファンタジーブームが来ています。
「指輪物語を超える傑作!」と銘打って出版されるファンタジー小説は数が知れません。
ですが、私が読んだ中で『指輪物語』を超える作品はありませんでした。
ファンタジーが好きで、まだ『指輪物語』を読んだことがない方は、
是非、本書を手に取ってもらいたいと思います。
それくらいの大傑作です。
私は自信をもっておすすめします。
余談(世界設定の素晴らしさ)
『指輪物語』の素晴らしさのひとつに、世界設定がしっかりしていることがあります。
これはトールキンが言語学者だったことに由来します。
彼は物語の中で使われるエルフ語を自分で作ってしまったのです!
『指輪物語』自体が、中つ国の長い歴史の中の一幕を切り取ったものです。
トールキンの構想で、中つ国の歴史がしっかりと作られていたのです。
追補編などで詳細が明らかにされるので、興味のある方はそちらもどうぞ。
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